「織姫とBABY feat. 汐れいら」
Official Interview

lead & review
ねぐせ。にとって初めてゲストヴォーカリストを迎えたシングル、『織姫とBABY feat. 汐れいら』がリリースさ れた。本楽曲は約2年前に産声を上げていたもので、<織姫とBABY><彦星とばいびー>といったワードが愛嬌 たっぷりに跳ね回る歌は、りょたちによる弾き語りのデモの形とはいえ、ねぐせ。の中に「なんだかやけに輝いて いる歌」として残り続けていたという。生活の中でふっと生まれてくるメロディと言葉が楽曲の背骨になり、そこ から情景とストーリーとメッセージを拡げていくのがりょたちのソングライティングの特性である。<織姫と BABY>と歌っちゃったんだから七夕でしょ、織姫と彦星と言えば「愛し合っているのに会えない」という引き裂か れた物語でしょ、だけど<いつかは一緒に暮らそうね>と想い合っていること自体が幸せでハッピーな希望でしょ --といった連想がリズミカルに歌のストーリーを描き出し、だからこそこの曲は、ひとりの目線ではなくふたり の目線を必要とした。ゆえに<織姫とBABY>というワードが降ってきた2年前の時点で、りょたちの脳内にはデュエットのイメージ が広がっていた。完成まで2年の時を要した理由に関しては下記のインタヴューが詳しいが、要は、この曲のメロ ディが呼ぶアレンジ、歌世界にフィットする音のアイディアを具現化できるだけの音楽筋肉をねぐせ。が培ってこ られたのが今だったということだ。日々の歩調にフィットするR&B/ソウルの中をスペイシーな音が飛び回り、「織 姫と彦星」の掛け合いのテンションに合わせてリズムも硬軟自在にうねる。ライヴに明け暮れるねぐせ。のイメー ジを突き立てるガツンとしたタイプの楽曲ではないが、むしろこういったグルーヴィな音楽の中でこそバンドの地 力は見えてくる。デュエットというアイディアも、この数年で音楽の器自体を大きくしたがゆえに叶えられたもの なのだろう。自分達の音楽に誰かを迎え入れることはそのまま、4人で完結しない音楽の在り方を見つけてきたねぐ せ。の像を映し出す。そういった意味で本楽曲は、人と投げかける以上に人を巻き込みながら音楽の輪郭を描き出 していく、ねぐせ。新たなステップを印象づける作品でもあるのだ。
そして、ねぐせ。がデュエットをオファーしたのが、彼らと同世代のシンガーソングライターとして活躍する汐 れいらである。2010年代以降の日本のロックを丸呑みして自分達色に染め上げるねぐせ。と、「誰か」との関係性 によって動く心模様をカラフルな音楽性で描き出す汐。両者に通じているのは「歌から生まれるイマジネーション に合わせて百花繚乱なソングライティングが生まれる」という個性だが、歌が音楽になり音楽が歌になる美点をお 互いがリスペクトし合う関係性があったからこそ、この“織姫とBABY”の軽妙な掛け合いが生まれたと言っていい だろう。さらに、そういった共鳴は歌唱でのタッグを組むだけに留まらず、様々な音楽を旅しながら人間の物語を 描いていく汐のキャラクターはねぐせ。の音楽にもグッと入り込んだ。実質的な制作は1ヵ月程度というスピード 感の中で、作詞・作曲まで共に手がけるというコラボレーションを果たすこととなった。言葉を交わす以上の対話 を音楽が叶える。そんな、音楽とは心を翻訳する言語であり、区分けも区別も必要ないという精神の共鳴によって 生まれたのが“織姫とBABY”という楽曲なのだ。
その始まりと裏側と行く先を訊いたのが、このインタヴューである。

―――
“織姫とBABY feat. 汐れいら”というシングルがリリースされました。
ねぐせ。にとって初めてのフィーチャリング楽曲となりますが、
まずはどういった経緯で汐れいらさんをゲストに迎えることになったのかを教えていただけますか。
ねぐせ。にとって初めてのフィーチャリング楽曲となりますが、
まずはどういった経緯で汐れいらさんをゲストに迎えることになったのかを教えていただけますか。
りょたち
「そもそも“織姫とBABY”自体が2年前に8割くらいできていた曲で、
そのままリリースすることなく時間が経ってしまうのかな?っていう感じで寝かせていたんですね。
でも好きな曲やし、このままリリースしないのはもったいないなと思って。
それで掘り起こして完成に向けて動き出したんですけど、
今度は『せっかくだからデュエットやりたいな』というアイディアが生まれてきたんですよ」
そのままリリースすることなく時間が経ってしまうのかな?っていう感じで寝かせていたんですね。
でも好きな曲やし、このままリリースしないのはもったいないなと思って。
それで掘り起こして完成に向けて動き出したんですけど、
今度は『せっかくだからデュエットやりたいな』というアイディアが生まれてきたんですよ」
―――
この曲のメロディなのか、歌詞なのかがデュエットを呼んでたんですか。
りょたち
「はい。デモの段階からデュエットを想像しながら作ってはいたんですけど、
それを実現するタイミングが今だったというか。
その中で汐れいらにデェットをお願いしたのは、そもそも友達だったことが大きくて。
最初は、俺がれいらのファンになってInstagramをフォローしたのが始まりだったんですよ。」
それを実現するタイミングが今だったというか。
その中で汐れいらにデェットをお願いしたのは、そもそも友達だったことが大きくて。
最初は、俺がれいらのファンになってInstagramをフォローしたのが始まりだったんですよ。」
汐
「その後、『TOKYO CALLING』で一緒になったことがあって。
ライヴハウスでの打ち上げだったんですけど、共通の友達がそこで増えたんですよ。
それでみんなで飲みに行くことが増えましたね」
ライヴハウスでの打ち上げだったんですけど、共通の友達がそこで増えたんですよ。
それでみんなで飲みに行くことが増えましたね」
りょたち
「それからよく友達で集まって飲みに行くようになり。歌がめっちゃ上手いんですよ。ほんとに凄くて」
汐
「嬉しいです(笑)」
りょたち
「そもそもれいらの曲を聴いた段階からファンでいましたけど、
ほんと、僕が生で聴いた女性シンガーの中で一番だと言い切れるくらい。
自分の歌声を最大限に活かす力というか。技術ももちろんそうなんですけど、
聴く人が惹き込まれる歌を歌うことができる。
一瞬で汐れいらの空気に変えることができる--それが凄いなって思いますし、
それで俺がれいらを激推しして、今回一緒にやらせていただくことになりました」
ほんと、僕が生で聴いた女性シンガーの中で一番だと言い切れるくらい。
自分の歌声を最大限に活かす力というか。技術ももちろんそうなんですけど、
聴く人が惹き込まれる歌を歌うことができる。
一瞬で汐れいらの空気に変えることができる--それが凄いなって思いますし、
それで俺がれいらを激推しして、今回一緒にやらせていただくことになりました」
しょうと
「れいら、ニヤつくなよ(笑)」
汐
「ふふふふふ。褒められる会なのかなと思って(笑)」
しょうと
「褒められる会っていう側面もありますよね?」
―――
(笑)。お互いへのリスペクトを聞けたら素敵だと思ってます。
りょたち
「とにかくれいらの歌が凄過ぎて。
一緒にやれたらいいなっていうのは頭のどこかで思ってましたし、
そこから“織姫とBABY”をもう一度やってみようと思って。
この曲を一緒にやりたいとオファーしました」
一緒にやれたらいいなっていうのは頭のどこかで思ってましたし、
そこから“織姫とBABY”をもう一度やってみようと思って。
この曲を一緒にやりたいとオファーしました」
―――
2年前に作った曲を今掘り起こして完成させるということは、それくらい、
りょたちくんの中で手応えがあった曲ということですよね。
りょたちくんの中で手応えがあった曲ということですよね。
りょたち
「そうですね。いい曲だなと思っていたからこそ、2年間ずっと頭の中にあったんだと思います」
―――
そこから晴れて完成した“織姫とBABY”はR&B/ソウルの要素が前に出た
1曲になったわけですが、なおやくんは、2年前に“織姫とBABY”を聴いてどんな印象を受け、
そして今回はどんなイメージで仕上げていこうと思っていたんですか。
1曲になったわけですが、なおやくんは、2年前に“織姫とBABY”を聴いてどんな印象を受け、
そして今回はどんなイメージで仕上げていこうと思っていたんですか。
なおや
「2年前はまだ地元の名古屋に住んでいた頃ですけど、
あの頃はデュエット曲にするなんて想像もできなくて。
思えば『ファンタジーな祝日を!!!』に収録した“恋と怪獣”もR&Bの曲でしたけど、
“織姫とBABY”はそれよりも前にできていた曲だったので。
どちらかと言えば“恋と怪獣”よりも先に、『R&Bの曲にしたらいいんじゃないかな』っていう
イメージが浮かんでいたのが“織姫とBABY”のような気がします。
しかし封印されたまま時が経ち(笑)、“恋と怪獣”を経たことでやっと完成を見た。
僕らのアレンジの技術という意味でも、“織姫とBABY”をやるのは
今がいいタイミングだったんじゃないのかなと思います」
あの頃はデュエット曲にするなんて想像もできなくて。
思えば『ファンタジーな祝日を!!!』に収録した“恋と怪獣”もR&Bの曲でしたけど、
“織姫とBABY”はそれよりも前にできていた曲だったので。
どちらかと言えば“恋と怪獣”よりも先に、『R&Bの曲にしたらいいんじゃないかな』っていう
イメージが浮かんでいたのが“織姫とBABY”のような気がします。
しかし封印されたまま時が経ち(笑)、“恋と怪獣”を経たことでやっと完成を見た。
僕らのアレンジの技術という意味でも、“織姫とBABY”をやるのは
今がいいタイミングだったんじゃないのかなと思います」
しょうと
「この曲は2年前には完成させられなかったよね」
なおと
「そう思う。“恋と怪獣”を経ていなかったら作れてない曲。
あるいは、全然違うアレンジになってた気がするよね。
“恋と怪獣”でシンセを入れたり、R&Bをやってみたりっていうチャレンジをしていなかったら、
ここまでスッと作れなかったタイプの曲調だと思う」
あるいは、全然違うアレンジになってた気がするよね。
“恋と怪獣”でシンセを入れたり、R&Bをやってみたりっていうチャレンジをしていなかったら、
ここまでスッと作れなかったタイプの曲調だと思う」
―――
まさに、“恋と怪獣”を経たからこそのシンセのアレンジ、R&B的な楽曲になっていると思います。
とはいえ“恋と怪獣”の溜めるようなリズムとはちょっと違う、
軽快さが前に出るリズムになっているのがポイントだと思ったんですが、
これは、5人でどんなディスカッションを経て辿り着いたものなんですか。
とはいえ“恋と怪獣”の溜めるようなリズムとはちょっと違う、
軽快さが前に出るリズムになっているのがポイントだと思ったんですが、
これは、5人でどんなディスカッションを経て辿り着いたものなんですか。
りょたち
「せっかくのデュエットだし、お互いの歌を見せたいじゃないですか。
なので歌中心でアレンジを考えた結果、こういうリズムになっていった気がします。
そもそもねぐせ。の楽曲は歌を邪魔しないようなアレンジが多いですけど、今回はより一層、
そういう作業を詰めたというか。もっとわかりやすく歌を立てて、
ふたりの掛け合いが映えるようなサウンドを目指してました」
なので歌中心でアレンジを考えた結果、こういうリズムになっていった気がします。
そもそもねぐせ。の楽曲は歌を邪魔しないようなアレンジが多いですけど、今回はより一層、
そういう作業を詰めたというか。もっとわかりやすく歌を立てて、
ふたりの掛け合いが映えるようなサウンドを目指してました」
―――
音の居場所がわかりやすいミックスだし、音と音の隙間も見えやすい。
その隙間に風が吹いているような感覚があります。
その隙間に風が吹いているような感覚があります。
なおと
「そうそう。歌の内容も踏まえ、『暗い感じにはしたくない』っていうのがあって。
なので、歌がメインで聴こえた上で、ギターやドラムの音がスッキリ聴こえるミックスにしてますね」
なので、歌がメインで聴こえた上で、ギターやドラムの音がスッキリ聴こえるミックスにしてますね」
―――
汐さんは、“織姫とBABY”を一緒にやりたいというオファーをもらってどう感じましたか。
汐
「元々ねぐせ。と仲よくさせてもらっていたので、
『いつか一緒に歌いたいね』とは言ってもらっていたんですよ。でもりょたちは友達も多いし、
口約束かな?って思っていて(笑)」
『いつか一緒に歌いたいね』とは言ってもらっていたんですよ。でもりょたちは友達も多いし、
口約束かな?って思っていて(笑)」
りょたち
「ええ!?(笑)」
―――
よくあるご挨拶だと思ってた(笑)。
汐
「はい(笑)。だから本当にオファーをくれたのが嬉しかったですし、
しかも急遽だったので、え、もう作らないとまずい!っていうスピード感も面白かったですね」
しかも急遽だったので、え、もう作らないとまずい!っていうスピード感も面白かったですね」
―――
本格的にアレンジを開始して制作が始まったのはいつ頃のこと?
しょうと
「確か、1ヵ月前くらい?(4月頃)」
りょたち
「マジでありえないスピードで作りました(笑)」
なおと
「ライヴ感があって面白かったけどね(笑)」
りょたち
「弾き語りのデモを作った頃から“織姫とBABY”っていうワードが降ってきていたので、
やっぱり七夕の近くに出したいと思ったんですよ。
でも七夕の当日に出しちゃうと、その日だけの曲になっちゃうじゃないですか。
だから七夕の前に出したいと考えて、“織姫とBABY”をやろうと決まってから
すぐアレンジに取り掛かりました」
やっぱり七夕の近くに出したいと思ったんですよ。
でも七夕の当日に出しちゃうと、その日だけの曲になっちゃうじゃないですか。
だから七夕の前に出したいと考えて、“織姫とBABY”をやろうと決まってから
すぐアレンジに取り掛かりました」
なおや
「春フェスの楽屋でもずーっとこの曲を詰めてたもんね(笑)」
しょうと
「ゴールデンウィークが終わった次の次の日にプリプロをやったくらいですもん」
なおと
「で、次の週の5月13日にレコーディングしました」
―――
とんでもないスピードだ。それはもう、飛躍的にアレンジ能力が上がっていることの証明と言っていいですよね。
なおと
「とにかく、りょたちとれいらがグワーッと回転してたから」
しょうと
「そうそう、ふたりの力が合わさることで作ることができた曲なんじゃないですかね」
なおと
「歌詞のやりとりを見てても、スピードが凄かったもんね」
―――
りょたちくんと汐さんの脳内にあるものを具現化して、それに伴う形で曲のアレンジも進んでいったんですか。
りょたち
「そういう感じでしたね。歌詞で言うと、Dメロの
<僕は星 君は月/ちゃんと言ってわかんない>という掛け合いのところが最初はなかったんですよ。
ここの歌をどうしようかな?と考えて、せっかくだったられいらと一緒に書こうと。
プリプロの段階で『このDメロのメロディと歌詞を一緒に作ろうよ』っていう話をしたんですけど、
れいらが送ってくれた歌詞があまりによかったので、そのまま採用させてもらいました」
<僕は星 君は月/ちゃんと言ってわかんない>という掛け合いのところが最初はなかったんですよ。
ここの歌をどうしようかな?と考えて、せっかくだったられいらと一緒に書こうと。
プリプロの段階で『このDメロのメロディと歌詞を一緒に作ろうよ』っていう話をしたんですけど、
れいらが送ってくれた歌詞があまりによかったので、そのまま採用させてもらいました」
汐
「私が書いたのはDメロの歌詞ですけど、その歌詞の中に私の曲のタイトルを入れてくれて--」
りょたち
「入れてくれてっていうか、あなたが書いたんだよ(笑)」
汐
「おこがましいけど入れてみたっていう(笑)。それを採用してもらえたのが嬉しかったですね」
―――
“Darling you”のリリックが印象的なリフレインで入っていて。
汐さんの楽曲も含めたストーリーがうかびあがってくるセクションですよね。
汐さんの楽曲も含めたストーリーがうかびあがってくるセクションですよね。
りょたち
「そうですね。俺からすると、汐れいらの贅沢セットみたいな感じの歌詞を
歌わせてもらってるので。ありがとうございます」
歌わせてもらってるので。ありがとうございます」
汐
「いえいえ、こちらこそでございます」
―――
汐さんの楽曲を拝聴すると、ジャンル的には多岐にわたっていると思うんですね。
歌の内容はもちろん、音楽としてのストーリーテリングがとても豊かだなと。
そういう汐さんにとって、こういうR&B的なアレンジはすでに持っているものだったのか、
毎回新しい音楽にトライしてテリトリーを拡げている感じなのか、どういう感覚なんですか。
歌の内容はもちろん、音楽としてのストーリーテリングがとても豊かだなと。
そういう汐さんにとって、こういうR&B的なアレンジはすでに持っているものだったのか、
毎回新しい音楽にトライしてテリトリーを拡げている感じなのか、どういう感覚なんですか。
汐
「私の音楽に関しては……飽き性っていうのも違うかもしれないんですけど、
同じジャンルを掘りたいっていうより、いろんな曲をやりたい気持ちが強いんですよね。
歌詞で言っても、1曲ごとに世界観を変えたい。そういう自分にとって“織姫とBABY”は新鮮な曲調で、
だからこそいいなと思って。こういうR&Bっぽい曲は大好きなんですけど、
自分で作れるかと言ったら作れないですし。
だから、他の人のイズムが入った曲に飛び込むことによって新しい発見をするのが面白いんですよね」
同じジャンルを掘りたいっていうより、いろんな曲をやりたい気持ちが強いんですよね。
歌詞で言っても、1曲ごとに世界観を変えたい。そういう自分にとって“織姫とBABY”は新鮮な曲調で、
だからこそいいなと思って。こういうR&Bっぽい曲は大好きなんですけど、
自分で作れるかと言ったら作れないですし。
だから、他の人のイズムが入った曲に飛び込むことによって新しい発見をするのが面白いんですよね」
―――
音楽性で言うと、ねぐせ。は2010年代以降のロックを全部食って
自分達色に染めていく達人みたいなバンドじゃないですか。
かたや汐さんの楽曲からは、90年代にJ-POPと称された音楽や、
70年代や80年代のフォーキーな音楽がポップスの水脈として聴こえてくることが多くて。
自分達色に染めていく達人みたいなバンドじゃないですか。
かたや汐さんの楽曲からは、90年代にJ-POPと称された音楽や、
70年代や80年代のフォーキーな音楽がポップスの水脈として聴こえてくることが多くて。
汐
「小さい頃、父と母が70年代の曲がよくカバーされているバーに連れて行ってくれることが多くて。
なんなら、そこでしか音楽を聴いていなかったくらいなんですよ。The Beatlesとかをよく聴いてたのかな。
あとはディズニーの音楽とか、小さい子が覚えやすいものを聴かせてもらったくらい。
母が歌っていたサザンオールスターズとか、広瀬香美さんとか。
それが私のルーツになっているのかなっていう気がするんですけど」
なんなら、そこでしか音楽を聴いていなかったくらいなんですよ。The Beatlesとかをよく聴いてたのかな。
あとはディズニーの音楽とか、小さい子が覚えやすいものを聴かせてもらったくらい。
母が歌っていたサザンオールスターズとか、広瀬香美さんとか。
それが私のルーツになっているのかなっていう気がするんですけど」
りょたち
「それが凄くないですか?自分で音楽を掘っていったわけじゃないのに、
こんなに曲を作れちゃうんですよ。ただの天才やんって思いません?」
こんなに曲を作れちゃうんですよ。ただの天才やんって思いません?」
汐
「でもりょたちくんは、いろんなものを聴いた上で精査して、キャッチーなものにできているのが凄いじゃん」
なおと
「どっちも凄えんだよ!」
りょたち
「ははははははは。じゃあ、ふたりで作ったら最強ってことだ!」
―――
それをやれた曲っていうことですよね。汐さんはねぐせ。の音楽、
りょたちくんの曲に対してどんな印象を持っていますか。
りょたちくんの曲に対してどんな印象を持っていますか。
汐
「元々、“スーパー愛したい”からねぐせ。のことは知っていて。その時はまだ曲しか知らなかったんですけど、
その後にねぐせ。がどんどんヒットソングを出すようになっていって。
耳にするたび『あ、またあの人達だ』って思ってて(笑)。
とにかく全部のメロディがキャッチーだし、耳に入りやすいメロディの上で韻を踏んだりもしているし。
それによって、みんなが歌いやすい曲になっているというか。ヒットを出すのも難しいことですけど、
それ以上に、いい曲を出し続けていることが本当に凄いと思うんですよね。
しかも、ねぐせ。はみんないい人なんですよ。尖ってるなあ、みたいな感じが全然ない。
りょたちくんと一緒に歌詞を詰めている最中も、メンバーが
『めっちゃいいじゃん!お前ら最高だよ!』って言い続けてくれて。
音楽に対しての愛が人一倍強いんだな、本当に音楽が好きなんだなって感じられるところが
素晴らしいと思いますね。誰かがレコーディングしている時も『今のめっちゃよくない?』って言い合ったり、
これカッコいいね!と言って盛り上がったり、自分の好きなポイントを曲に落とし込みながら
形にしていくところが凄いなって思います。自分はシンガーソングライターとしてやっているので、
そういう瞬間の連続が刺激的でした」
その後にねぐせ。がどんどんヒットソングを出すようになっていって。
耳にするたび『あ、またあの人達だ』って思ってて(笑)。
とにかく全部のメロディがキャッチーだし、耳に入りやすいメロディの上で韻を踏んだりもしているし。
それによって、みんなが歌いやすい曲になっているというか。ヒットを出すのも難しいことですけど、
それ以上に、いい曲を出し続けていることが本当に凄いと思うんですよね。
しかも、ねぐせ。はみんないい人なんですよ。尖ってるなあ、みたいな感じが全然ない。
りょたちくんと一緒に歌詞を詰めている最中も、メンバーが
『めっちゃいいじゃん!お前ら最高だよ!』って言い続けてくれて。
音楽に対しての愛が人一倍強いんだな、本当に音楽が好きなんだなって感じられるところが
素晴らしいと思いますね。誰かがレコーディングしている時も『今のめっちゃよくない?』って言い合ったり、
これカッコいいね!と言って盛り上がったり、自分の好きなポイントを曲に落とし込みながら
形にしていくところが凄いなって思います。自分はシンガーソングライターとしてやっているので、
そういう瞬間の連続が刺激的でした」
しょうと
「俺らも、久々にレコーディングが楽しかった」
りょたち
「その場で作り上げていく感じがね。どんどん転がっていく感じがよかった」
汐
「本当に。りょたちくんは、頭で鳴っている音楽がたくさんあるんだなと思って。
プリプロの場で『もっと近未来的な音を入れたい』とか、『宇宙の感じだから』とか、 そういうことをどんどん言っていくんですよ」
プリプロの場で『もっと近未来的な音を入れたい』とか、『宇宙の感じだから』とか、 そういうことをどんどん言っていくんですよ」
りょたち
「そう、俺は困らせるようなことを言っちゃうんですけど」
―――
でも、歌詞とメロディが呼んでる世界観ですよね。
汐
「そうそう。サビで言っても、最初のセクションから私とりょたちくんが同じキーで歌ってたんですけど、
『織姫と彦星がお互いを想いつつも会えないっていうストーリーだから、
最初はふたりが離れてたほうがいいと思うんだよな』っていうアイディアが出てきて。
確かに、<また銀河で待ち合わせよう>っていうところで歌が一緒になったほうがストーリーが見えてくるよなと。
なるほど!って思いました。本当に楽しかった」
『織姫と彦星がお互いを想いつつも会えないっていうストーリーだから、
最初はふたりが離れてたほうがいいと思うんだよな』っていうアイディアが出てきて。
確かに、<また銀河で待ち合わせよう>っていうところで歌が一緒になったほうがストーリーが見えてくるよなと。
なるほど!って思いました。本当に楽しかった」
なおと
「普段のレコーディングは殺伐としていることが多いんですけど(笑)。
ライヴの時のねぐせ。を知ってる人からしたら、レコーディングはまったく違うねぐせ。なんですよ。
それくらい、いつもグーッと入り込んでやってる。でも今回は俺らも楽しかったですね。
僕が普段聴いている音楽に近い楽曲でもありましたし、ねぐせ。としては少数派の曲なんだけど、
個人的にはスラッと出てくるフレーズが多くて。
みんなでアイディアを出し合ってワイワイ作れた曲だったんじゃないかなと思います」
ライヴの時のねぐせ。を知ってる人からしたら、レコーディングはまったく違うねぐせ。なんですよ。
それくらい、いつもグーッと入り込んでやってる。でも今回は俺らも楽しかったですね。
僕が普段聴いている音楽に近い楽曲でもありましたし、ねぐせ。としては少数派の曲なんだけど、
個人的にはスラッと出てくるフレーズが多くて。
みんなでアイディアを出し合ってワイワイ作れた曲だったんじゃないかなと思います」
りょたち
「本当に、アイディアを出してどんどん積み上げていく感じがよかった。
その雰囲気があったから作れた曲のような気もするんですよね。
最近のねぐせ。のモードとしては『ライヴで強い曲が欲しい』っていうのがあるんですけど、
だからと言って、ガツンとした曲ばかり作ろうとは思ってなくて。
いい意味で考え過ぎず、出てきたものに対して素直に作り続けたい。
同じことをやり続けるのが嫌だっていう気持ちは僕にもあって。
で、“織姫とBABY”は2年前に作った曲ですけど、2年経った今でもいい曲だと思えたので。
自分が曲を作る上でのこだわりもだんだん変わってくるものですけど、
2年前に作ったとは思えないくらい、今改めて歌いたいと思える曲だったので」
その雰囲気があったから作れた曲のような気もするんですよね。
最近のねぐせ。のモードとしては『ライヴで強い曲が欲しい』っていうのがあるんですけど、
だからと言って、ガツンとした曲ばかり作ろうとは思ってなくて。
いい意味で考え過ぎず、出てきたものに対して素直に作り続けたい。
同じことをやり続けるのが嫌だっていう気持ちは僕にもあって。
で、“織姫とBABY”は2年前に作った曲ですけど、2年経った今でもいい曲だと思えたので。
自分が曲を作る上でのこだわりもだんだん変わってくるものですけど、
2年前に作ったとは思えないくらい、今改めて歌いたいと思える曲だったので」
―――
ここまでの話を聞くと、ふたりの歌い分けだったり、
織姫と彦星が想い合いながらも出会えないストーリーだったり、
そういった部分からサウンドが導き出されることが多かったんじゃないかなと思うんですが、
りょたちくんも汐さんも、歌が音を呼んでくることが多い方なんですか。
織姫と彦星が想い合いながらも出会えないストーリーだったり、
そういった部分からサウンドが導き出されることが多かったんじゃないかなと思うんですが、
りょたちくんも汐さんも、歌が音を呼んでくることが多い方なんですか。
汐
「音から何かを作るっていうことは、確かにないかもしれないですね。
歌詞から組み立てていくことが多いです。まあ……これは悩みでもあるんですけど、
The Beatlesをはじめとした洋楽を多く聴いていたので、実は日本語の歌を音として聴くっていうことが苦手で。
歌詞がいいなって一瞬で理解できることも少ないんですよ。
一旦文字にしてみないと、その歌詞が何を言っているのかがわからない。
なので音楽を聴く時はメロディに耳が惹かれることが大半なんですよね。
で、自分で歌詞を書く時も、その言語の意味と同時に文字の形ばっかり気にしちゃって。
メロディに惹かれて、その中で自分の言葉と文字を探していくっていう順番かもしれないんですけど。
耳で聴いて素敵な歌詞だったとしても、文字にして美しくなかったら採用できないんですよね。
今後も考えなくちゃいけないところかなって思ってるんですけど。
だからこそ、情景だけじゃなくてその奥にある感情やイメージまで浮かんでくるりょたちくんの歌詞は凄いと思う。
“日常革命”のラスサビとか、歌ってみて本当に悲しくなったもん(笑)」
歌詞から組み立てていくことが多いです。まあ……これは悩みでもあるんですけど、
The Beatlesをはじめとした洋楽を多く聴いていたので、実は日本語の歌を音として聴くっていうことが苦手で。
歌詞がいいなって一瞬で理解できることも少ないんですよ。
一旦文字にしてみないと、その歌詞が何を言っているのかがわからない。
なので音楽を聴く時はメロディに耳が惹かれることが大半なんですよね。
で、自分で歌詞を書く時も、その言語の意味と同時に文字の形ばっかり気にしちゃって。
メロディに惹かれて、その中で自分の言葉と文字を探していくっていう順番かもしれないんですけど。
耳で聴いて素敵な歌詞だったとしても、文字にして美しくなかったら採用できないんですよね。
今後も考えなくちゃいけないところかなって思ってるんですけど。
だからこそ、情景だけじゃなくてその奥にある感情やイメージまで浮かんでくるりょたちくんの歌詞は凄いと思う。
“日常革命”のラスサビとか、歌ってみて本当に悲しくなったもん(笑)」
りょたち
「僕の場合は、サビメロとワードが降ってきたらそれしかない!っていう作り方なので。
それを中心にしてサウンドのイメージが拡がっていくところは間違いなくあります」
それを中心にしてサウンドのイメージが拡がっていくところは間違いなくあります」
汐
「私もできるだけ、自分から出てきた言葉は曲にしたいんですけどね。
出てきたものをそのまま曲にできた時が一番気持ちいいから」
出てきたものをそのまま曲にできた時が一番気持ちいいから」
りょたち
「わかる。でも一向にハマらないこともあるから、そこがまた悩ましい。
こだわりがどんどん増えていく感じもあるし、
たとえばワードの頭が<あ>の音だったら気持ちいいのに!っていうところで言葉を探すこともあるし。
そうやって曲を作り続けることで、こだわりによって自分が限られてくる感覚もあるんですよね。
で、それが悩みになっているかと言えば、そうでもなくて。
こだわりを磨くことによって、また新しい曲に昇華されることもあるから」
こだわりがどんどん増えていく感じもあるし、
たとえばワードの頭が<あ>の音だったら気持ちいいのに!っていうところで言葉を探すこともあるし。
そうやって曲を作り続けることで、こだわりによって自分が限られてくる感覚もあるんですよね。
で、それが悩みになっているかと言えば、そうでもなくて。
こだわりを磨くことによって、また新しい曲に昇華されることもあるから」
―――
人としてウマが合うのと同時に、ソングライターとしての特性も、実は近いところにあるのかもしれないですね。
りょたち
「確かに。れいらが曲を作る際は、曲の設定から考えると言っていて。
そういう作り方をしているからこそ、れいらの曲を聴いた時に感情移入しやすいんやろうなと思って。
自分が登場人物になりやすいんですよ。僕の場合は、自分から出てきたワードから世界観を拡げていく。
れいらの場合は、設定が先にある。バンドという複数人の形で作るのか、
シンガーソングライターとして作るのかっていう違いによるものもあるかもしれないんですけど、
物語をしっかりと紡いで曲を作り続けているところが凄いなと思いますね。
あとは、とにかくれいらはメロディがエグい。平成の初期の感じを連想するメロディというか、
そういう特性が最近は特に強くなっていると感じていて。それが俺に刺さりまくってます。
……あ、あと、息継ぎがめっちゃ好きなんですよ!
息継ぎまで考えて歌を歌ってるんだって感じる曲なんです。息のニュアンスによって、
そこに人間のいろんなものが入ってくるというか。俺はそこまで考えられてない」
そういう作り方をしているからこそ、れいらの曲を聴いた時に感情移入しやすいんやろうなと思って。
自分が登場人物になりやすいんですよ。僕の場合は、自分から出てきたワードから世界観を拡げていく。
れいらの場合は、設定が先にある。バンドという複数人の形で作るのか、
シンガーソングライターとして作るのかっていう違いによるものもあるかもしれないんですけど、
物語をしっかりと紡いで曲を作り続けているところが凄いなと思いますね。
あとは、とにかくれいらはメロディがエグい。平成の初期の感じを連想するメロディというか、
そういう特性が最近は特に強くなっていると感じていて。それが俺に刺さりまくってます。
……あ、あと、息継ぎがめっちゃ好きなんですよ!
息継ぎまで考えて歌を歌ってるんだって感じる曲なんです。息のニュアンスによって、
そこに人間のいろんなものが入ってくるというか。俺はそこまで考えられてない」
しょうと
「マニアックやなあ(笑)」
なおと
「でもさ、そう考えたらりょたちも似てるよ。りょたちだって、
歌の息継ぎのタイミングをめちゃくちゃ意識してるじゃん。歌始まりの曲は特に、
冒頭の息継ぎが上手く入ってなかったら録り直してる」
歌の息継ぎのタイミングをめちゃくちゃ意識してるじゃん。歌始まりの曲は特に、
冒頭の息継ぎが上手く入ってなかったら録り直してる」
りょたち
「ああ、歌始まりの場合はそうだね。入りの息継ぎがないと、聴いていて息苦しくなっちゃうんですよね」
なおと
「歌の入りに息継ぎがないと人間味がないって言うんですよ」
りょたち
「そうそう!人間が歌ってるっていう感じがないと、なんか息苦しくて聴けないんだよね。
それで言うと、れいらは僕以上に息継ぎのこだわりがあるから。
歌と歌の間の細かいところに、グッて入ってるんですよ。
そこにニュアンスが宿ってて、歌じゃないところも歌なんだなってめちゃくちゃ思わされるんですよね」
それで言うと、れいらは僕以上に息継ぎのこだわりがあるから。
歌と歌の間の細かいところに、グッて入ってるんですよ。
そこにニュアンスが宿ってて、歌じゃないところも歌なんだなってめちゃくちゃ思わされるんですよね」
汐
「ありがとうございます(小声で)」
―――
では、歌詞についても伺います。“織姫とBABY”の歌詞はどういったイメージで膨らませていったんですか。
汐
「りょたちくんからもらった歌詞からは、切ないストーリーを感じて。
織姫と彦星っていう存在に重ねているふたりの関係が、切ないというか。これって、ふたりは両想いなんだよね?」
織姫と彦星っていう存在に重ねているふたりの関係が、切ないというか。これって、ふたりは両想いなんだよね?」
りょたち
「うん、両想い。なのに会えないっていう関係。
<織姫とBABY>っていうワードが出てきたときに、両想いで好き同士だからこそ、
会えなくて感情が変になっちゃったっていうストーリーが思い浮かんできて。
好きなんだけど、踏み込むのを恐れてるふたり。
最初のイメージは『織姫と彦星だから会えない』っていうだけだったんですけど、
でもサビはロマンチックな気持ちが歌われてるじゃないですか。
で、それ以外は『好きだけど、踏み込むのが怖い』っていう人間味を歌ってる。
実際のところ、人間のふたりの関係を織姫と彦星にたとえているだけなのかもしれないなって思いますね。
ただ、悲しい曲にはしたくなかったんですよ。お互いがお互いを想ってるって、
それだけでもハッピーで可愛いじゃないですか。
付き合ってはいないけど両想いで可愛いふたりを『織姫と彦星のようだね』って言って、
ロマンチックなストーリーにしたかった」
<織姫とBABY>っていうワードが出てきたときに、両想いで好き同士だからこそ、
会えなくて感情が変になっちゃったっていうストーリーが思い浮かんできて。
好きなんだけど、踏み込むのを恐れてるふたり。
最初のイメージは『織姫と彦星だから会えない』っていうだけだったんですけど、
でもサビはロマンチックな気持ちが歌われてるじゃないですか。
で、それ以外は『好きだけど、踏み込むのが怖い』っていう人間味を歌ってる。
実際のところ、人間のふたりの関係を織姫と彦星にたとえているだけなのかもしれないなって思いますね。
ただ、悲しい曲にはしたくなかったんですよ。お互いがお互いを想ってるって、
それだけでもハッピーで可愛いじゃないですか。
付き合ってはいないけど両想いで可愛いふたりを『織姫と彦星のようだね』って言って、
ロマンチックなストーリーにしたかった」
汐
「りょたちくんと一緒に作ったDメロも、元々掛け合いにしたいねっていう話をしてたんですよ。
<僕は星 君が月>っていうのがりょたちくんから出てきたんですけど、
私にも<好き>と<月>で踏んでいる歌があるので、
私の曲の歌詞もセルフオマージュで入れようよっていう話になって。
その中で、織姫と彦星がお互いに思っていることを歌って掛け合うセクションができていきました。
この曲って、<いつか一緒に暮らそうね>って思い合えていること自体が救いだと思うんですよ。
会えないから違う方向を向いちゃってるように見えているだけで、心の中はお互いのことを愛している。
一緒に暮らすことが叶わなくても、いつか一緒に暮らしたいと思えていることが自体が素敵だなって、
そういう歌にしたかったですね」
<僕は星 君が月>っていうのがりょたちくんから出てきたんですけど、
私にも<好き>と<月>で踏んでいる歌があるので、
私の曲の歌詞もセルフオマージュで入れようよっていう話になって。
その中で、織姫と彦星がお互いに思っていることを歌って掛け合うセクションができていきました。
この曲って、<いつか一緒に暮らそうね>って思い合えていること自体が救いだと思うんですよ。
会えないから違う方向を向いちゃってるように見えているだけで、心の中はお互いのことを愛している。
一緒に暮らすことが叶わなくても、いつか一緒に暮らしたいと思えていることが自体が素敵だなって、
そういう歌にしたかったですね」
しょうと
「凄え。そんなやり取りがあったなんて知らなかった」
りょたち
「あくまで可愛い曲、ハッピーに聴いてもらえる曲にしようっていうのがありましたね」
―――
この曲を聴いて改めて感じたことですが、りょたちくんも汐さんも、「大切だから踏み込めない」
「大好きだから失いたくない」という人間の心模様を歌うのが本当に上手なソングライターだと思うんです。
で、こんがらがった感情を歌に残すことによって、
それを言葉とは違う言語にして伝えたいっていう気持ちを感じるんです。こう言われてみて、どう思いますか。
「大好きだから失いたくない」という人間の心模様を歌うのが本当に上手なソングライターだと思うんです。
で、こんがらがった感情を歌に残すことによって、
それを言葉とは違う言語にして伝えたいっていう気持ちを感じるんです。こう言われてみて、どう思いますか。
汐
「私の場合は、自分の感情を歌にして残すことによって『安心して忘れられるもの』にしている感覚があって。
……人間って、言葉にして出すことによって、自分の言霊に洗脳されていくところがあるじゃないですか。
で、これは書いて残したから、忘れても大丈夫だって自分に言う感じで曲を書いてるんですよね。
歌にして残したから、いつでもその歌を見れば思い出せる。だから安心して変わっていけるというか。
そういう気持ちで曲を書いてるかもしれないですね。で、歌は言葉であり詩であり言霊でもあるから。
言葉だけだと誰かから拝借したらすぐにバレるし、メロディだけでもパクリはわかってしまう。
でも言葉と詩と声が同時にあれば、それは私だけの心を表すものになるんですよね。
真似されないし、真似したものにならない。そういう、好きな物事を自分だけのものにした習性があって。
好きな色があったとしたら、それをノートに書いて持ち歩いてたくらいなんですよ(笑)。
で、音楽は目に見えないし形があるものでもないけど、でも誰にも取られないものだから。
自分だけのものっていう気持ちで曲を書き続けているのかもしれないです。
……ただ失うのが怖いだけかもしれないんですけどね」
……人間って、言葉にして出すことによって、自分の言霊に洗脳されていくところがあるじゃないですか。
で、これは書いて残したから、忘れても大丈夫だって自分に言う感じで曲を書いてるんですよね。
歌にして残したから、いつでもその歌を見れば思い出せる。だから安心して変わっていけるというか。
そういう気持ちで曲を書いてるかもしれないですね。で、歌は言葉であり詩であり言霊でもあるから。
言葉だけだと誰かから拝借したらすぐにバレるし、メロディだけでもパクリはわかってしまう。
でも言葉と詩と声が同時にあれば、それは私だけの心を表すものになるんですよね。
真似されないし、真似したものにならない。そういう、好きな物事を自分だけのものにした習性があって。
好きな色があったとしたら、それをノートに書いて持ち歩いてたくらいなんですよ(笑)。
で、音楽は目に見えないし形があるものでもないけど、でも誰にも取られないものだから。
自分だけのものっていう気持ちで曲を書き続けているのかもしれないです。
……ただ失うのが怖いだけかもしれないんですけどね」
―――
お互いに踏み込めない織姫と彦星も、何かが壊れるのを恐れていると言えますよね。
りょたち
「実体験ではないんですけど、でも曲を書けば書くほど思うのは、
自分の変な性格が節となって、人間のストーリーになって出てきている気もするんですよね。
会えないふたりの関係だけど、でもハッピーなんだっていうのもそうですし。
こうやって信頼できる友達と一緒にやれた楽しさもうそうですけど、
どんどん新しいものを吸収することでもっと音楽を楽しんでいきたいし、楽しむことによって、
もっと自分の節を出していけたらいいと思う。
そういう意味でも、デュエットという新しいチャレンジをやってみてよかったと思います。
音楽を作るって素敵なことだなあと、改めて思いましたね」
自分の変な性格が節となって、人間のストーリーになって出てきている気もするんですよね。
会えないふたりの関係だけど、でもハッピーなんだっていうのもそうですし。
こうやって信頼できる友達と一緒にやれた楽しさもうそうですけど、
どんどん新しいものを吸収することでもっと音楽を楽しんでいきたいし、楽しむことによって、
もっと自分の節を出していけたらいいと思う。
そういう意味でも、デュエットという新しいチャレンジをやってみてよかったと思います。
音楽を作るって素敵なことだなあと、改めて思いましたね」
文:矢島大地
写真:木村篤史
写真:木村篤史
